おっさんずラブ 瑠東東一郎監督のインタビュー、シナリオブック、特典映像を踏まえ観直す第4話 その5

はてなハイク、終わっちゃうのかぁ…ショック

 

それは、さておき、このままでは明日「けもなれ」を観て、また「けもなれ」の話をしてしまいそうなので、第4話の「ちずちゃんがドキッとしたところ」の話をしたいと思います

 

これまでは、第1話のわんだほうでのやりとりは「気の置けない幼馴染の会話」と思っていたのですが、思い返すと腑に落ちないところがあります

ちずちゃんはセクハラと、セクハラを容認せよというパワハラが原因で仕事を辞めているのですよね

であれば、部長に告白されて困惑している春田にセクハラとパワハラの危機を感じてもいいはずです

部長を悪くは思っていない春田の話ぶりに深刻さがなかったのでしょうか

でも、その問題で酔い潰れるほど飲んだわけですから、相当参っていたはずです

春田の話す場面はありませんが、ちずちゃんの「告られた?やったじゃん!」は、即答、秒も置かずに返したように見えます

それは、動揺を隠すため、というか自分が動揺しているということを自分にも気づかせないためのように思えました

春田の言動にも時折見えますが、正常性バイアスですね

そのあとは、ちずちゃんの畳み掛けるような台詞で会話は進み、最終的に春田の「ほんと、意味わかんねえな」で、終わります

「この世に春田に告白する人がいるとは」という衝撃から「けど、それは男性でうんと年上で、いわゆるおっさんである」という事実を春田には「いいじゃん」と言い募ることで逆説的に自分に「ありえない」言い聞かせ、気づかぬうちに自分を安心させている、とも感じられます

春田の「ほんと意味わかんねえな」は的を射ていて、ちずちゃんは自分でもわけのわからないことを言っていた可能性大と思うのです

これまで私は、ちずちゃんのこれらの台詞は恋愛に偏見がないということだと思っていましたが、この時点では「やっぱりそれは無理だよね」という気持ちがあったのではないかと思いました

 

第2話で、ちずちゃんは牧君の本気の告白を目の当たりにします

ちずちゃんの偏見が消えたのは、この時だったのではないでしょうか

牧君の真剣な想いに最初に応えたのは、春田ではなくて、それから目を背けようとする春田をビンタしたちずちゃんだったのです

 

第3話で、部長とのその後を聞くちずちゃんは、第1話のように無責任に煽る様子ではなく、部長の立場も慮った台詞を口にします

牧君が春田を好きだという以上に、部長が春田を好きだということには困難が伴うということを春田に伝える台詞は、ちずちゃんが現実として、部長の気持ちを認めているのだと感じられました

そして、牧君との口喧嘩(っていうか一方的にキレられた)のあと、わんだほうにやって来た春田に、ちずちゃんは少し冷たいのです

「痴話喧嘩にしか聞こえなかったけど?」は、事情を知らない鉄平兄には大した意味はないでしょうし、春田もピンとはこないと思いますが、言葉の裏にやきもちが隠れているのは明らかです

マロとのことで言い合いをするところは、ちずちゃんの意趣返しのようでもありますし、いつも通りの春田とのやり合いに割って入る着信に「牧君?」と反応するところは、ちずちゃんの中で「春田を好きな牧君」の存在が大きくなっている証拠なのではないかと思いました

 

そして、第4話、「ちずちゃんのドキッとしたところ」に続くのです

今日もたどり着かなかった…