テレビ朝日金曜ナイトドラマ「死神くん」(2014)の林遣都ゲスト出演回と、田中圭ゲスト出演回を観ました
「死神くん」は良いドラマだと聞いていたので、全話観られればよかったのですが、時間がなく、一旦この2話だけ
林遣都出演は第2話
本当は悪い人間ではないのだけれど、いじけてしまったダメサラリーマン、島孝一
ある日、死神くんが落とした死神手帳を拾った彼は、これが死者のリストであると気づき…というお話です
だらしないスーツ姿、そっけない私服、外で缶チューハイ、いつからかどこからかこじれて、ふてくされて、出口が見えなくて
顔見知りの子供に対する笑顔、会社でのやるせなくふてくされた顔、勧誘の時の本心なのかセールストークなのか分からない様子、悪い方へと傾く瞬間の目、「友達」を見つけた喜び、意外な人懐こさ、刻々変化する島の気持ちが伝わりました
島のとった二つの問題の解決方法は、どちらも反則で、島は善人なのか?悪人なのか?という問いはあるかもしれないのだけれど、善人悪人じゃなくて「人間」なんだなって死神くんは思ったんじゃないかなぁ
田中圭出演は最終話第9回
食品ビルでの大量殺人の企てに悪魔が手を貸しているとわかり、阻止に走る死神くんとカラス
でも、その大量殺人には理由があって…というお話です
田中圭演じる中平毅は、食品ビルの警備員
あの優しい人なら犯人探しに協力してくれるはずと死神くんは近づくのですが
全話観ていないのですが、第1、2話では回の主人公が亡くなる瞬間は描かれてはいませんでした
けれど、最終話では亡くなるシーンが描かれ、それも「何故この人がこんな死に方を?」という死に方でした
また、この回の死神くんが魂の尾を切るシーンでは、主人公は足しか見えておらず、表情がわからないのです
顔を見せる必要がないのなら、そのシーンを撮らなければいいのですから、彼が一体どんな顔をしていたと思うかを観る人に迫る意図があったのだと思います
「この人がどうしてこんな…」とショックだったのですが、思い返すと、これまでの登場人物も「この人が、どうしてそんな死に方を?」でした
それが手帳のメモだけだったので、一瞬ハッとしながらも、お話のまとまり方で忘れていたのです
それで気づいたのは「死に方に意味はないんだよ」ということなのかなぁ?ということでした
中平毅は、死神くんに出会った一日しか描かれませんが、重い過去を持つ人間です
心に幾重にも迷いや答えが折り重なっていて、その上で決断をしたんだろうなぁと思えます
ほぼ警備室にこもってのシーン展開なのですが、頬杖をついている横顔の緊迫感が悲しかったです
死神くんが選んだのは、中平毅の魂を救うことでした
死に方というのは、生き方の成果じゃないんですよね
死はこの世と天の間の扉みたいなもので、死に方はご褒美でも罰でもない、出来事に過ぎないのでしょう
それは、誰かを亡くした人にも、これから自分の死を考える人にも、救いなのではないかなぁと思いました
というわけで、「死神くん」、面白かったです
全話観たいのだけど、ツタヤの店舗ではレンタルを扱っていないし、どこの配信サービスにもないのですよねぇ
ディスカスで借りる以外には買うしかないわけで
再放送していただけないかなぁ
中平の頬杖、最高ですよ