けもなれ 京谷鑑賞倶楽部会員なんだけれど、なんだか脱線した最終回感想
めでたしめでたし
呉羽の鐘は出会った瞬間に鳴った訳ではなく、お互いを深く知るようになり、一生を共にしたいと思った時に鳴ったのでした
「獣」に正解はないし、そもそも「獣になりたい」訳ではないし
「人間らしく」ありたい物語だったのでしょうか
「私らしく」だけを望むと、それは誰かにとって「獣」になってしまうかもしれない
「人間らしく」という共通項は必要なのかなぁと、だから「獣」と対比させたのかしらと思いました
晶は京谷と別れたところから、どんどん自分と自分の周りを変えていこうと行動し始めます
京谷は晶にとって、現状に適応するための逃げ場として機能していたのでしょう
逃げ場を捨てることで、攻勢に出られたのかなぁと思いました
(あ!だから、恒星なの?んな訳ないか)
晶の生い立ちは、晶があらかじめ社会的弱者であるように思わせます
足かせになったことも多かったとは思いますが、その中で晶は常に努力して、勝ち続けていました
勝って手に入れるものの大きさではなく、本人が「努力して報われる」こと、それが勝利だと思うのです
正社員の職を母親のために失って、やっと見つけた再就職先は派遣社員でした
そこでも晶は仕事で成果を出し、認められ、意味を見出し、無職のパートナーに落胆し、京谷と共感しあい、朱里から京谷を奪ってもいます
仕事があって、彼がいる、この時の晶は相対的に強者だったのです
樫村地所の次の就職先はブラック企業でした
紹介してくれた京谷の上司にも気兼ねして、辞めることもできません
プライベートでも、朱里から京谷を奪ったはずが、朱里が家を出ていかないために、二号さんのような状態になってしまいます
しかし勝者・強者であった時の世界に用意された逃げ場である京谷がいるために、生きる論理の組み替えができないまま、晶は4年を過ごします
その間、晶はずっと弱者だったかというと、松任谷、上野にとっては成長をスポイルされた同僚、上司でしょうし、再就職した朱里にとってはハードルを上げに上げきってくれた前任者です
ツクモ・クリエイト・ジャパンのブラック化に少なからぬ寄与をした人間に他ならないのです
勝者、強者、または弱者といっても、どれも相対的なものです
相手や状況で入れ替わり、時間の経過や周囲の変化でも変わります
晶だけでなく、登場人物それぞれに、それぞれの面があり、それぞれの論理があって、それは間違いではなかったんだろうなぁと思いました
晶が恒星と恋をするのかどうか
それは、はっきりしません
ドラマの中では、どの恋の始まりも美しかったです
どの恋が正しくて、だから終わった恋は間違っていた、ではないということかなぁと思います
面白いドラマでした
で、「おっさんずラブ」映画化決定!
おめでとうございます!
とても楽しみです
上げられれば落とされる世の常、一番大切な時期に「誰にも文句を言わせない体を張った企画で、他の誰でもない本人に一年の総括をさせてやる」という、ドS上げ膳据え膳
視聴者だけでなく、スタッフの皆さんにもゲストの皆さんにも、田中圭の種を蒔く、もう本当に田中圭を育てたい(スパルタ)一心で生まれた企画のように思われ、25時間に突入した時のお三方の顔色に胸が熱くなりました
来年と言わず、ずっとずっと、田中圭さんの活躍が楽しみです