HiGH&LOW THE RED RAIN

を観ました

なんとも言えないジョニー・トー味を感じたのですが、他の方はどうだろう

いろいろ感想はありますが、私はエンディング辺りのアイスのシーンで「観てよかった」という確信を得ました

 

RED RAINを昨日と同じ視点でざっくり言うと

・父母の喪失

・長兄の死

・弟たちの絆

です

 

尊龍、雅貴、広斗の雨宮三兄弟は、上二人は父と前妻の、一番下の広斗は母と前夫の間の子供です

尊龍、雅貴と広斗には血の繋がりはありません

それぞれ実母と実父をどうして失ったのかはわかりませんが、再婚後の父母には愛情を注がれ育てられていました

その父母を上園会に殺されてしまいます

復讐に逸る広斗を尊龍がなだめ、三人で生きていくのですが、尊龍は一人で父母の復讐を計画しており、果たせぬまま返り討ちに遭い命を落とします

この長兄の死は、父母の復讐だけでなく、父母を奪われた弟たちのためのものでもありました

その死をもって尊龍は二人に何を伝えたのかと言うと、かっこいい台詞で言えば「拳は大切なものを守るために使え」であり、「生きろ」なのですが、最も重要な言葉は

「俺たちの両親」

の一言だと思います

両親の再婚の際、広斗は荒れており、誰にも心を開こうとしませんでした

尊龍の働きかけがあって広斗は尊龍を慕うようになり、家族を受け入れることになるのですが、そこには尊龍と広斗の間にあって一歩引く立場を選んだ雅貴の存在がありました

雅貴と広斗の間には兄弟の絆は確立していなかったのです

命を代償とした尊龍の「俺たちの両親」と言う言葉が、未だ頑なだった広斗に雅貴を受け入れさせ、ずっと遠慮していた雅貴の背中を押したのだろうと思います

 尊龍を失った二人が仲良くアイスキャンディーを食べる姿は、それまでの自らを「おにいちゃん」という雅貴でも、それを無視する広斗でもない、新しい二人の兄弟の姿だったと思います

 

「RED RAIN」でも兄弟として登場する雨宮雅貴、広斗に血の繋がりはなく、その家族自体が家族の破片と破片が組み合わさり再生したものでした

「HiGH&LOW THE MOVIE」では一貫して「親の不在」「親代わりの兄の死」「血の繋がりを超えた絆で再生される子供」が描かれています

家族あるいはその機能についての物語と考えると古典的なテーマに思えますが、家族あるいはその機能を現代社会において見直す視点があるのではないかと感じました

その話は、また明日以降書こうと思っています

 

↓ こちらが「昨日の視点」です

a-cup-of-snow.hatenablog.com