封切り初日、IMAXで観てきました
何より、吹っ切れている!
作中「常識的判断だ」「努力したのか?」というやりとりがあるのですが、まさしく常識を超えた努力の地平でした
アクションについては観るに如かずです
最初にショックだったのは、作中にはもう「韓国」はないということです
「半島」と「半島脱出者」があるだけ
そして、その半島脱出者が評されて曰く
「みんな独特の雰囲気がある」「悲しい過去があるからだな」
半島から脱出できた人々のほとんどが愛する人々と生き別れ、死に別れ、或いは見捨てて別れて生き延びてきたからです
主人公ジョンソクは国民を守るべき軍人でありながら、多くの国民、実の妹、甥を見捨てて香港へ逃げ延びました
香港マフィアの要請で金とドルを奪取するため戻った半島はゾンビに蹂躙され、祖国の面影はありません
そこには、生きながらえるために狂気の強奪集団と化した元軍隊が存在しました
元軍隊の殺戮に心身の麻痺したファン軍曹、死を願うのみの抜け殻ソ大尉は、ジョンソクのあり得た姿の一つでした
ファン軍曹の過去は語られませんが、ソ大尉の「向こう(香港)へ行けば自分の過去は誰も知らない」「やり直せる」に、国民を守るはずの軍隊がどのような経緯の末、狂気に至ったのかが伺えます
その半島で、脱出を夢見、自力で生き延びてきた一家族がありました
最後、救出に来た国連職員の「これまでの地獄から脱出できる」という言葉に、その家族の少女は「これまでも地獄ではなかった」と答えます
ジョンソクもファン軍曹、ソ大尉も常識的な判断で悲しい過去を生み、常識的にその恥と悔いに心を病んでいました
少女とその家族は半島で、誰に恥じることも自らに悔いることもなく、生きる努力を続けていたのだなと思いました
生の極限で何ができるか、常識的に悲しむこと、悔いること、恥じることで自らの生を地獄にしていないか
努力をしたか?
単純な問いですが、YESと答えることは簡単ではないと思いました
他、ちょこちょこと
登場人物は皆、人物の輪郭、内面がはっきりと伝わる、生きた人間でした
ソ大尉の最期は生への希望を見出し、失う瞬間に自分を取り戻したように見えました
カーアクションは韓流デスロード、まさしく
本家に勝るとも劣らないデスロードで素晴らしいです
半島上陸直後に通りかかり、後半役に立つ、あの通路は「新感染 ファイナル・エクスプレス」で出てきた場所ではないか?と思いましたが、どうでしょう
わかる人にはわかるカメオ出演があるのではないかと思うのですが、わかりませんでした
そういうわけで、もっと観るところあったよな、考えたいところあるし、わかっていないところ、いっぱいあるし、もう一度観に行きたいと思っております