「ノーコン・キッド〜ぼくらのゲーム史〜」(2013年)

今日は「おっさんずラブ 第5話、いつまでも観ている  〜春田編〜」の予定だったのですが、…言葉にならない…ので…

 

田中圭さん主演連続ドラマ「ノーコン・キッド〜ぼくらのゲーム史〜」のことを書こうと思います

www.tv-tokyo.co.jp

公式サイトもあり、wikipediaにも記載がありますが、簡単に紹介すると

田中圭、浜野謙太、波瑠の3人をゲームが繋いだ30年間を描いたお話です

 

あの頃、ゲーム、あったよね

ゲームと一緒に過ごした時間、生きた時代があったよね

という、青春と、これからの物語

毎話のゲームを下敷きにしたエピソードの展開は面白く、各話のストーリーには安定感があって、全話を通して流れる時間の切なさがあって

ゲームという素材には、敬意と愛情が払われていて

出演者の方々の、ストーリーとゲームへの誠実な演技がとてもよかったです

 

で、ネタバレ感想です

田中圭演じる渡辺礼治君は、波瑠、浜野謙太と違って、飛び抜けた才能や個性があるわけではない普通の子として物語の中にいます

けれど、父親の健康不安を機に23歳でゲームセンターを継ぎ、28歳でお店を閉めるまでの5年間で、父親の残した借金600万円を500万円に減らしているんです

大学の学部はわかりませんが、父親からは店の経営については何も教わっていません

本当にゲームとゲームセンターを好きだからできたことだよなぁと思います

波瑠に「礼治君はみんなに好かれて、いいわね」と言われるシーンもあるのですが、みんなに好かれている明確な描写はないにも関わらず、そうだねぇと思いました

田中圭さんは、普通に見える人の中にある、その人だけの特別な何かを自然と感じさせる方だなぁと思います

もう一人、心に残った登場人物が、あかりさんです

礼治君45歳の時代に「離婚寸前」の妻として登場する、大学時代の礼治君の想いびとです

礼治君は28歳から45歳の再会まで17年間、波瑠と浜野謙太と音信不通になります

45歳の波瑠が浜野謙太の依頼で礼治君を訪ね、そこであかりさんと会うのですが、ここで波瑠とあかりさんは知り合いだったことと、礼治君とあかりさんが結婚したのは35歳過ぎだったことがわかります

礼治君35歳というと、借金を抱えてお店を閉めて7年、職も安定しておらず、大学時代の恋多き女性あかりさんのイメージからは、礼治君が魅力的な結婚相手だったとは思えません

波瑠と知り合いだったことから考えると、あかりさんは卒業後、容姿を生かしてファッション業界に入ったのかもしれません

けれど、30歳を過ぎる頃には仕事にも恋愛にも行き詰まり、そんな時に礼治君と再会し、結婚したということでしょうか

そう言ってしまうとネガティブな結婚のようですが、最終話ではあかりさんは敵も礼治君も欺いて礼治君の大切なものを守り、礼治君にするべきことを思い出させます

礼治君にとって、青春を共にした波瑠、浜野謙太は特別な存在ですが、自分の大切な時間、大切な人を理解してくれる、ある時は自分以上にその大切さをわかってくれるあかりさんという存在は、やはり特別だと思います

 

波瑠は浜野謙太を主役に「ノーコン・キッド」という本を書きます

ドラマのタイトルも「ノーコン・キッド」です

でも、ゲームセンターを守るため苦闘した礼治君の5年や、ドラマでは描かれていない、その後の17年、大学時代から45歳の再登場までの、やはり描かれていないあかりさんの月日を想像すると、「ぼくらのゲーム史」の“ぼくら”が見えてくるような気がします

 

あかりさんの話に一生懸命になってしまって、長くなっちゃいました

次は、このドラマでちょこちょこ思ったことを書く予定です