おっさんずラブ 瑠東東一郎監督のインタビュー、シナリオブック、特典映像を踏まえ観直す第4話 その4

こちらが瑠東東一郎監督のインタビュー記事です

雑誌掲載時に気になったのは「照れってどこ?」ということ

こちらの完全収録で、さらに気になったのは「ちずちゃんがどきっとしたところ」と「第7話の熱い芝居」です

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そういう観点から観直しているはずなのに、観れば観るほど、そこここに見落としていたあれこれが見つかって…

 

牧君のお弁当を食べている春田にマイマイが「奥さんみたいね」というシーン

ここで春田を見つめる武川さんの眼差しはフラットで、感情の動きを察することは難しいです

マロが「ちーちゃんと夢の国」を春田に報告にくるところも、武川さんはちらっちらっと視線を送っています

牧君のお弁当にピンと来ない・ちずちゃんのデートに反応が薄い、春田を観察するだけでは埒が明かないと判断し、アクティブ・フェーズに出たのでしょうか

この前話では、お蔵入りになるほどのチベットスナギツネ顔を見せたのに、この回の武川さんは冷静です

徳尾さんのト書きの罪深さを思い知らされます

 

決戦!真堺コーポレーションのところ

京急さんのイメージ…は、さておき

牧君が証拠として持ち出すICレコーダーですが、蝶子さんの台詞の「証拠保全」がここで実を結んだように感じられました

ICレコーダーの音声データに一人だけ気がつく牧君ですが、これもその理由が前段階から描かれています

オープニング直後のわんだほうのシーン、鉄平兄が歌い出すところですが、春田とちずちゃんは「またぁ?」「いつもと一緒じゃんよ」と、言っています(シナリオにはありません)

春田にとっては鉄平兄が急に歌い出して、それを録音することは普通のことで、取り立てて記憶に残ることではないのです

一方、詐欺が露見して、春田と牧君が解体されるわんだほうに駆けつけるシーンでは、歌い出す鉄平兄に牧君が「あ゛ぁ゛!?」と言っています(シナリオにはありません)

牧君にとっては初めて目にする光景で、だからこそ記憶に残っていたのだと考えられます

ドラマだと思って観ていると、ストーリーの中に人間がいるのが当然ですが、現実では人間が動く一瞬一瞬があって、その後ろにストーリーが現れます

シナリオに描かれるストーリーは、実は登場人物一人一人の行動、言葉が生み出すものだと考えた時、「またぁ?」「いつもと一緒じゃんよ」や「あ゛ぁ゛!?」が生まれるのかなぁと思いました

 

全然、「照れたとこ、どこ?」にも「ときめくちずちゃん」にも「春田、熱いプロポーズ」にもたどり着きませんでしたが、今日はこれまで

 

あ〜、缶バッジ、どうしよう…